←English site


夫とのコミュニケーション講座のご報告

11月15日に開催された「夫とのコミュニケーション講座」のご報告です。
風邪を引いていてぼーっとしていたので、あまりよく覚えていませんが何となく雰囲気が伝わればと思い書きます。

当日は6人の避難ママさんが参加され、そのほとんどが母子避難者でした。

避難ママの悩みは・・・
夫が転職に耳を貸してくれない。
放射能のことを話すと神経質と言われる。
危機感の違いで意見が合わない。
「避難する」判断をまかされるのがイヤ。
いくら話しても拉致があかないので夫のことは諦めている・・けれどやっぱり体のことが心配。
夫の地元愛や仕事への思いが強く移住という話にならない。
夫に「いつまでそっちにいるつもりだ」と言われる。
自分は事態が変わるまで数年様子を見たいのだが、夫は帰ってくるのか離婚かとすぐに結果を出してほしたがる。
夫の体調に変化があり心配。だけど体調が悪いのと放射能は関係がないと言い張る。
今は夫の収入に頼っていて、夫が倒れたら家計が心配。
放射能やこれからのことを話そうとすると取り合ってくれない。

とこんな感じで、交流会でいつも出るようなことが出ました。
その話し合いの後、カウンセラーの吉岡さんから「男とはどういうものか」のお話がありました。
カウンセラー吉岡さんは普段男性DV加害者のカウンセラーをしているそうです。

男というものは自分の価値観を変えるのにとても大きな不安を抱き臆病な生き物である。
生き方や価値観を変えるのにとてもエネルギーがいる。
ギリギリにならないと気がつかないし、自分が気がつかないと自分を変えられない。
男は弱みを見せてはならない。泣いてはならない。男らしくなければならない。などの考えが根底にある。

カウンセラー吉岡さんの分析では、人の心理はタテモードとヨコモードに分類される。
タテモードとは主に会社の上下関係で、支配と服従がメイン。(事実中心)
論理的思考。計算。自己否定。ストレス。抑圧。無表情。怒り。苛立ち。事実中心。説教。解説。命令。常用語(だけど。しかし。勝・負。善・悪。ねばならない。今すぐに。解決。即決。)豊かさは金銭・財産中心。競争。単一。報復。孤独。孤立。

一方、ヨコモードは主にプライベートな関係で寄り添うことがメイン。(感情中心)
直感。ひらめき。自己肯定。解放。リラックス。寄り添い。豊かな表情。嬉しい。楽しい。悲しい。怖い。共感。あいづち。うなずき。お願い。提案。常用語(おなじ。いっしょ。引き分け。好き。嫌い。考えよう。ひとやすみ。棚上げ。保留。)豊かさは人とのつながりが中心。共生。多様。修復。再生。連帯。連携。

男の人は普段このタテモードにどっぷり浸かっていて、そのモードを家にまで持ち込んだりする。(でも子供に対してはヨコモードになれる)
女性は基本的にはヨコモードで生活しており、コミュニケーションをとるのがとても上手である。
男女の間にはそんな違いがあり、男性は自分の感情に気づくことにとても不得手。
男は強くなくてはならないという意識が根底にあるため、自分が悲しい。辛い。寂しい。怖い。と感じていても自分で気づけない。
気づけないし、言葉で素直に「寂しい」などと表現出来ないため、怒ったり、キレたり、相手を否定したり、うつになったり、暴力に走ったりする。(コミュニケーション・スキルの貧しさ)
妻に共感すると自分が負けたような気になる。
夫の困った行動の裏には不安や寂しいなどの感情がある。

だからまず男性は自分が「寂しい」「悲しい」「辛い」「怖い」と感じしてることに気づき、それを素直に表現するヨコモードになる練習をしないといけない。
カウンセラーの吉岡さんが言うには、被災地に残っている夫こそ、カウンセリングを受けたり、同じ境遇の者同士集まって話し合いをする機会を持つべきだということでしたが、残っている夫への支援というのは今は皆無で今後も難しいということであれば、夫の気持ちを受け止めたり、ヨコモードになるようにさせるのは妻しかいないらしいです。
自分の不安感などを表現出来るようになると、「その気持ちわかるよ。自分も以前はそうだった。」と、人の不安な気持ちなどに寄り添えるようになる。
例えば、今まで「転職なんか出来ない!関西に自分のしたい仕事なんかないし、一からまたやり直すなんて出来ない!第一給料が下がって家族が生活できないじゃないか」と言う夫に対して妻は「健康あっての仕事だし、命さえあればなんとかなるよ!お給料が下がっても私も働くから」という様に平行線でしたが、「そうよね。今まで頑張ってきた仕事を辞めるって難しいよね。また一からなんて不安よね。」とまず夫の気持ちに寄り添うようにする。その上で「その気持ちはわかるけれど、私もあなたの体が心配で・・・」と自分の気持ちを伝える。(今まで気まずい話し合いが続いている夫婦はまず夫の気持ちを受け止めるだけにしてしばらく様子をみること)
自分の気持ちを受け止めてもらえたら、妻を見習って妻の気持ちも受け止められるようになるので、まず妻が見本になり夫の気持ちに寄り添うことが大事。
夫に傷つくことを言われたら我慢せず「悲しい」「寂しい」「傷ついた」という気持ちを伝えよう。

夫をタテモードからヨコモードに切り替えるためのキーワードは
「ありがとう」
「気持ちはわかる」
「聞いてくれてありがとう」→「聞く」ということが妻の役に立っていることに気づける。
「好き」→この言葉が結構効果ありらしい。
「ごめんなさい」→なんでも妻の責任になってしまうので使う時は慎重に。


参加した避難ママはどうやったら自分の気持ちを分かってもらえるのかという思いでこの講座に参加したと思いますが、結果、今まで夫の気持ちに寄り添おうと思ったことがないことに気づきました。
これは私から見た講座の内容なので、他の方は違うものを学んだかもしれません。

最近交流会が多くなってきて、避難ママ同士繋がれて愚痴は言い合えるのですが、その先に進むことが出来ませんでした。
しかし今回、この講座を受けて先に進むことは出来ないかもしれないけれど、同じ場所にいるのに景色が違って見えるようになったかなと思います。

面白かったのでまた同じような講座をやれたらいいなと思います。
長くなりましたがご報告でした。